ドル下落、2022年４月以来の安値－関税や景気見通し懸念で売り圧力 – Bloomberg

12日の外国為替市場でドルが下落し、３年ぶりの安値となった。米国の関税や景気見通しを巡る懸念が背景にある。

　　ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.8％下げて、2022年４月以来の安値水準を付けた。主要10通貨全てが上昇し、ユーロは21年以来の高値に達した。円は対ドルで一時0.9％超上げて、１ドル＝143円19銭まで買われた。

　　この日発表された５月の米生産者物価指数（ＰＰＩ）はインフレが引き続き抑制されていることを示した。これに先立ち、トランプ米大統領が一方的に関税率を設定し、各国・地域に通知する意向だと述べたこともドルを圧迫した。

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　　ドルは年初から８％余り下落。トランプ氏の貿易および税制政策が経済に悪影響を与えるとの見方から、投資家はドルに対する弱気なポジションを積み上げている。ウォール街のストラテジストも、ドルには一段の下落余地があると警告しており、ドル安に賭ける投機筋の姿勢と足並みをそろえている。米商品先物取引委員会（ＣＦＴＣ）のデータによれば、こうした投機的ポジションは約122億ドル（約１兆7500億円）に上る。

　　アビバ・インベスターズのシニアエコノミスト兼ストラテジスト、バシレイオス・ギオナキス氏は「ドル安はまだまだ進む余地がある」と指摘。国債利回りが上昇しているにもかかわらずドルが弱含んでいるのは、米資産に対する投資家の信頼が薄れていることの表れだと付け加えた。

原題：Dollar Falls to Lowest Since April 2022 as Tariffs Dim Outlook（抜粋）